「KOH NOTES」のご紹介

はじめまして。管理人のKohです。

 

介護の視点から暮らしやすい社会の仕組みを考える。

これが、このブログのメインテーマです。

暮らしやすい社会って、どういう社会だろう。

そもそも社会ってどういう風に成り立っているんだろう。

そう考えると、とても膨大なテーマで頭が混乱しそうになります。

頭の中で複雑に絡み合っている糸をほぐすように、そして、日々考えていることを整理するために、ブログを始めてみました。

 

 

プロフィールにあるように、僕はケアマネジャーという仕事をしています。

ケアマネジャーとは簡単に言うと、介護サービスの専門家です。今まで老人保健施設の相談員を5年、グループホームのケアマネジャーを1年、在宅のケアマネジャーを13年と様々な仕事に従事してきました。かれこれ介護分野の仕事を20年近く続けています。

なので、僕はどうしても介護というフィルターを通して社会を見ることが多くなります。

「人が暮らす」ということを考えると、介護という枠だけではとても全体像をとらえきれません。

介護サービスを支えているのは何も専門家だけではありません。介護制度単独でその仕組みが成り立つわけでもありません。家族や地域、医療、企業の経済活動等あらゆる分野が関連しています。

仮に若い人が、自分の家族や友人に介護を必要としている人がいなくても、好むと好まざるとにかかわらずに、間接的にその人の生活は、介護をめぐる状況に影響を受けています。

社会という同じ船に乗っている以上、それは仕方がないことです。

 

僕は、もともと人の集合体である社会に興味を持っていました。人はその人の属している社会の規範や文化や制度にとても強い影響を受けるものです。

人そのものにも興味はありますが、僕は社会と個人の相互作用に特に興味を持っています。

その原点には10代の多感な頃、アメリカに5年余り住んでいた経験があるからかもしれません。

その経験は日本での生活において、当たり前に思われていることが決してそうではないという、違った視点で物事をとらえるきっかけを与えてくれたと思っています。

 

 

 

ケアマネジャーのバックボーンにはソーシャルワークという技術があります。

ソーシャルワークは、個人と社会を結びつけるという考え方が根底にあります。何かしら社会で暮らしづらさを抱えている人々を様々なアプローチによって自立して生活できるように支援するのがソーシャルワークです。

 

生活に困っている人に、機械的にサービスを提供してもうまく機能しないことが多々あります。その人が本当に必要としていることはなんなのか。その点に本人が気付いていないことも多いので、情報を集めて探っていくことが必要になります。

情報を集めて分析し、ニーズ(暮らしの課題、困りごと)を導き出す過程をアセスメントといいます。

アセスメントを重ねることで、利用者に対する理解を深めることが出来ます。その理解が正しいのかどうかは、最後までわかりません。でもその作業の深度を磨いていくのが専門家たる所以でもあるのです。

 

介護の仕事は、何もおむつ介助や食事介助をするだけではありません。適切な介護を行うために、その利用者を理解することがとても重要です。

理解するためには、住居環境、家族関係、過去の生活歴等、様々なことからヒントを探っていくのです。なかなか、ここまで個人を社会性をからめて探っていく仕事はありません。

 

 

 

僕はアセスメントの作業を通じて、人を理解する重要さを学んできました。その経験から思ったのは、人に対する理解と同じく、社会に対する理解にも同じように有効な手法ではないかということです。

繰り返しになりますが、僕の最大の興味は、人と社会のかかわり方にあります。社会の有り様によって人のかかわり方も違ってきます。

であれば社会全体をアセスメントの一つの対象として探っていくのも面白そうじゃないか。以前から自分が感じていた日本社会の特徴等を踏まえて、いろいろと私見を述べてみよう。

そう思ったのが、このブログを始めたきっかけです。

「介護の視点から暮らしやすい社会の仕組みを考える」の「介護の視点」とは、介護の現場で実践されているアセスメントの手法を用いながら、という意味でもあるのです。

 

ブログで扱っているテーマは多岐にわたります(時々、個人的な趣味に関する記事もアップしています)。思いつきのまま書いているので、雑然とした印象を持つかもしれませんが、自分としては、なるべく”社会性”を念頭に意識して書いていくつもりです。

微力ではあるけど、僕の視点と経験を活かしつつ、少しでも社会の本質にせまる思考を巡らすことが出来ればと思います。

そして考えた事柄が具体的に、暮らしやすさや、生きやすさにつながる気付きになる。ブログを続けることで、結果的にそんな気付きに出会えたら嬉しく思います。

皆様にも同じような気付きがあれば、これに勝る喜びはありません。