ハンス・ジマー・ライブ・イン・プラハを語る

ハンス・ジマーと映画作品

最近、繰り返し見ているDVDの一つに「ハンス・ジマー・ライブ・イン・プラハ」がある。2016年にチェコのプラハで開催されたコンサートの内容を収めたものである。

ハンス・ジマーといえば、映画音楽作曲界の大御所である。何しろ今まで手掛けてきた作品群を見てみると、超有名な映画や演劇が目白押しなのである。代表的な作品をいくつか挙げてみよう。

レインマン Rain Man (1988) 
ブラック・レイン Black Rain (1989)
ドライビング Miss デイジー Driving Miss Daisy (1989)
デイズ・オブ・サンダー Days of Thunder (1990)
バックドラフト Backdraft (1991)
トイズ Toys (1992)
ライオン・キング The Lion King (1994) 
クリムゾン・タイド Crimson Tide (1995) 
シン・レッド・ライン The Thin Red Line (1998)
グラディエーター Gladiator (2000) 
ミッション:インポッシブル2 Mission: Impossible II (2000)
ハンニバル Hannibal (2001
ブラックホーク・ダウン Black Hawk Down (2001)
パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち Pirates of the Caribbean: The Curse of the Black Pearl (2003)
ラストサムライ The Last Samurai (2003)
バットマン ビギンズ Batman Begins (2005) 
ダ・ヴィンチ・コード The Da Vinci Code (2006) 
ザ・シンプソンズ MOVIE The Simpsons Movie (2007)
ダークナイト The Dark Knight (2008) 
シャーロック・ホームズ Sherlock Holmes (2009)  

天使と悪魔 Angels & Demons (2009)
シャーロック・ホームズ Sherlock Holmes (2009) 
インセプション Inception (2010) 
ダークナイト ライジング The Dark Knight Rises (2012)
マン・オブ・スティール Man of Steel (2013)
アメイジング・スパイダーマン2 The Amazing Spider-Man 2 (2014) 
インターステラー Interstellar (2014) 
インフェルノ Inferno (2016)
X-MEN: ダーク・フェニックス X-Men: Dark Phoenix (2019)
トップガン マーヴェリック Top Gun: Maverick (2020)

ここに挙げたのは、ほんの一部である。あらためてリストをみると、いかにハンス・ジマーが映画界に多大な貢献をしてきたが分かる。ちなみにタイトルが赤字で示されている映画の作内で使われた曲が、このコンサートで演奏が披露されている。へぇーこの映画の曲も作っていたの?とDVDをみて何度も驚いた。

ライブ・イン・プラハ

重厚な演奏陣

さてそのコンサートの内容である。ハンス・ジマーの風貌は、どこにでもいそうな普通のおっさんであるが、演奏家としての腕は一流である。

ハンス・ジマー氏

ピアノのみならず、ギターやバンジョーを弾きこなし、のりにのってティンパニーなんかも叩いている。

何しろ演奏陣が豪華である。とにかくステージ上の人数がとても多い。オーケストラや合唱団は地元のチェコ・ナショナル交響楽団と合唱団である。音の重厚感が半端ない。

チェコ・ナショナル交響楽団

チェコ・ナショナル合唱団

大編成!

 

とはいえクラシックのような音楽かといえば、そういうカテゴリーには収まりきらない、様々な音楽の要素が詰まったコンサートといえる。むしろ僕はロックのコンサートに近い印象を受けた。実際、プレイヤーの中には、インキュバスのマイク・アインジガーやザ・スミスのジョニー・マーが参加している。

ジマーとジョニー・マー(右)

 

音の緻密な積み重ね、激しく点滅する照明の演出等は、プログレッシブロックの見せ方に非常に通じるものがあるように思える。映画音楽だからと言って単調ではなく、緩急があり、見ていて全然飽きがこない。このコンサートの録音はCDでも発売されているようだが、絶対に映像媒体で見るべきである。

他の演奏陣も個性的である。ビジュアル的に魅せてくれるのは、バイオリンやチェロを弾いている女性陣である(なぜか衣装がミニスカート)。表現力豊かにフロントでソリスティックな演奏を繰り広げている。一緒に演奏するジマーも楽しそうだ。

バイオリン・チェロ隊

たわむれるオヤジ

 

使用される楽器も多岐にわたる。コンサートの冒頭に、「ドライビングミスデイジー」のメロディーにあわせてクラリネット奏者が登場する。この人がめちゃめちゃ器用。

リチャード・ハーヴェイ

「ライオンキング」では、南米の笛(サンポーニャ)を吹いていたし、「グラディエーター」では小さなハープを弾いたり、あとは何かスプーンのようなモノで叩く楽器を演奏していた。あとで調べたらハンマーダルシマーという楽器らしい。演奏している人はリチャード・ハーヴェイという作曲家だった(ジマーは古い友人と紹介していた)。

サンポーニャ

ハンマーダルシマー

 

 

至極のエンターテインメント

珍しい楽器を多用しているということは、ジマーが目指す音に細部までこだわりがあるからだろう。とにかく全体を通して一流の職人が作り上げた、音の洪水を浴びることができる。彦摩呂風に言えば、まさに音楽の玉手箱である。

それにあわせてエンターテインメントとしての見せ方も計算しつくされている。ライブコンサートであるが、一つのショーとしても成り立っている。充分に音楽を堪能させてもらった。

 

 

 

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