マキシマムザホルモン え・い・り・あ・ん

音楽を聴くという行為は、つい10年位前まではCDを買って聴くというのが主流だった気がする。それもラジオ、テレビ、雑誌等のマスメディアを通して情報を得ることが、ほとんどだった。しかし、最近はネット配信サービス等が充実しており、ネットで初めて知る楽曲も多い。特にYouTubeの影響力は絶大である。

マキシマムザホルモンのことは、2,3年前にその動画を見るまでよく知らなかったのだが、何気なくみたYouTubeの動画をきっかけに、すっかりはまってしまった。そのきっかけになった楽曲の動画が「え・い・り・あ・ん」である。

人によって音楽のどこに惹かれるのか様々だろうが、楽曲の歌詞を味わう人も多いかと思う。しかしこの曲に関して言えば、何を言っているのかまず聞き取れない。動画に字幕がついているが、それでも聞き取るのは至難の業である。マキシマムザ亮君からすれば、これが言いたい!ってものはあるらしい。「当選を通せんぼー‼」とか言っているし、政治に対する不信感をぶちまけたいのかな。どうでもいいけど。

動画の後半になると、曲調ががらりと変わり「Stop stop winny upload」とキャッチーなコーラスが続く(winny(笑))。よほど違法アップロードの反対運動でもしてるかと思いきや、そうでもないらしい。途中、子供たちが走ってきて踊りだすし。カオスすぎてわけが分からない。

そもそもマキシマムザホルモン自体が、あまり一般受けするような性質を持つバンドではない。デスボイスを多用するし、「恋のスペルマ」のように「スペルマ ピストン スペース ドリル」と連呼する下品極まりない楽曲はたくさんある。基本的にふざけることに一生懸命なので、受け付けない人は、きっと全然受け付けないだろう。

しかしである。デスボイスをノリがいい楽曲に馴染ませている手腕は見事だし、「恋のスペルマ」もキャッチーで、ライブで聞けば、めちゃめちゃ楽しめそうである。すべてを突き抜けるだけの楽曲の良さがあるから、はまる人ははまるのである。あえて媚びずに独自路線を貫けば、むしろコアなファンはつきやすい。

Youtubeのおかげで、それが海外の人も広く知られることになりマキシマムザホルモンは多くの海外ファンを獲得している。日本語が全くわからなくても、音楽そのものに力があると何か伝わるものがあるのだ。

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