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スマホとパソコンの相違点
スマホは便利なデバイスである。カメラ、ゲーム、お財布、手帳、ウォークマン、動画視聴等々、様々な用途に使える。片手の収まるこの機器は、まさしく小さなパソコンである。
パソコンで出来ることは、ほぼスマホでも出来るようになってきているが、そうであればパソコンを使うメリットとは何であろうか?
ここで一つ考えてみたい。スマホとパソコンの違いは細かく言うと色々あるが、結局のところ本質的な相違点とすれば次の2点に集約されると思う。
1.画面の大きさ
2.入力の操作性
スマホの利点は、携帯性にある。つまり携帯できるからこそ、その特性を活かした機能に力を発揮する。
例えば、GPSを使えば現在地の把握が瞬時にできる。その機能をさらに発展させて、近くのおすすめの店だったり、目的地に行くための交通経路を調べたりすることが可能だ。
また知りたいことがあれば、その場ですぐ検索をして調べることが出来るので、優秀な事典がわりになる。つまりスマホは、ほしい情報をその場で素早く手に入れたい場合、最も有効活用できるデバイスなのである。
ただ携帯性を維持するには、どうしても大きさを犠牲しなければならない。なので必然的に画面が小さくなる。
画面が大きい利点
画面の大きさは、大した違いに感じられないかもしれないが、意外と使う側にとって影響は大きい。パソコンがスマホと比べて利点があるとすれば、画面上の情報表示において網羅性に優れている点である。
簡単に言うと、同時に多くの情報を一瞥できる、ということである。
例えば、何かキーワードを検索した時、スマホだと検索結果がせいぜい2つか3つ程度しか同時に表示されないが、パソコンだと5〜10くらいは表示できる。
その違いは、その後のクリックの選択の幅に直結する。選択の幅が広がれば、有益な情報に巡り合う可能性も高まる。
スクロールすれば同じことだ、と思うかもしれないがスマホだとすぐに情報を仕入れたい場合が多いので、その手間が意外に面倒だったりするのである。
情報を一瞥できるメリットはまだある。調べものをする時に、目に入ってくる情報が圧倒的に分かりやすい。下の画像は、厚生労働省のホームページで「介護保険制度の概要」をスマホとパソコンでそれぞれ表示した画面である。

スマホの画面

パソコンの画面
このようにパソコン画面のほうが一瞥して得られる情報量が多く、網羅性に優れているので、次にどこをクリックしたらいいか判断がつきやすい。使い勝手がいいか悪いかは、ホームページ分かりやすく作られているかどうかにもよるが、往々にして画面が広いと全体像を捉えやすくなる。
つまり、今表示されている情報が全体の中でどの位置を示しているのか、画面が大きいことで頭が整理しやすくなるのである。
スマホだとどうしても情報が断片的になってしまい、木を見て森を見ずの状態に陥りやすい。必要な情報にたどりつくまでに時間がかかってしまう。一部の天才ならスマホで事足りるのかもしれないが、僕のような凡人では、頭の中にあるモヤっとしたものを明確な形にするには、パソコン画面くらいの大きさがないと混乱してしまうのである。
キーボードとマウスの利点
続いて入力の操作性である。
スマホは携帯性を優先するために、入力に関しては小さな画面の中でのフリック入力にならざるを得ない。
確かにちょっとした短文、例えばLINEのやりとり等であればフリック入力で充分かもしれない。ただし数百文字を超える長文であれば、フリック入力は正直きつい。
今のところキーボードとマウスの操作性より効率がいい方法はないと思う。大抵の人はフリックよりキーボードのほうが速く入力できるだろう。画面が大きいパソコンであれば当然キーボード入力が前提である。頭の中に浮かんだ文章を言語化するには、キーボードのほうがそのスピード感に対応しやすい。
パソコンの場合、調べものをしながら同時に入力する際にも都合がいい。僕はこのブログを書く時も、途中で何かを確認したくなることが多々ある。例えば事実背景の確認だったり、言葉の使い方が合っているかなど、そういう作業は書き始めると必ずでてくる。
スマホだと検索と入力を同時に行う場合、その都度それぞれのアプリの画面に切り替えなければならない。パソコンの場合、その作業は同じブラウザ上でクリック一つで切り替えることが出来る。ちょっとした違いだが、積み重なると、体感的に手間が全然違う。
デバイスの大きさが違うということは、これだけ使い勝手に違いが出てくるのである。
ブログを書ける機能自体はスマホにもあるが、上記のような理由から、僕はブログ作成は専らパソコンかタブレット(キーボード併用)を使用している。
スマホとパソコンの使い分け
もちろんスマホが使い勝手が悪いということではない。普段の生活では、むしろこれほど便利なデバイスはない。ただし便利さに目を奪われて偏った使い方をしていないか振り返ってみてもいいと思うのである。
要するに用途によって使い分けることが重要である。
スマホはコンテンツを消費するには、とても優れたデバイスである。ネット、SNS、動画、音楽、ゲーム等々、様々なコンテンツを好きな時にどんな場所でも気軽に楽しめる。
ただしコンテンツを作成したり、クリエイティブな作業をするには、まだまだパソコンに分がある。例えば動画編集であったり、音楽、漫画やイラスト作成の分野においては、多くの場合パソコンが利用されているはずである。
ツイッターとスマホの関係性
もちろん、クリエイティブが意味するところが非常に曖昧なので、スマホでの作業が創造性がないと言い切ることはできない。ツイッターは、短い文章を入力して、その呟きが拡散する仕組みだが、非常にスマホと相性がいいSNSである。スマホが爆発的に普及しはじめた2013年頃から、ツイッターも比例して売り上げを伸ばしている(下記資料参照)。
ツイッターでは、共感されるような呟きを生みだす、というクリエイティブな作業が必要だが、そうであってもツイッターいう枠組み(140文字内の短文)の中での創造性である。スマホでは、どうしてもコンテンツ作成に制限がある。画面が小さいゆえの宿命である。
一瞥できることの重要性
やはり創造性を発揮するには、全体を一瞥する過程があったほうが圧倒的に効率がいい。人間の脳は、視覚化された情報と相性がいいとも言える。
僕が普段、仕事の企画書でもブログ記事でも何か作成する時、事前に構成メモを作ることが多い。その場合、大抵紙に書くのだが必ず用紙一枚にまとめるようにしている。そのほうが全体像が把握できて、後々実際に文章を書く際にスムーズに進めやすい。逆にその作業を怠ると、論理的な文章に仕上げられなかったりする。
作業を同時並行で行う場面では、なるべくスペースを広くとっておくと理解が深まりやすい。物理的な机であっても、スペースが広いほうが色々な資料を置けるので作業がしやすくなる。画面上の作業であっても考え方としては同じである。
創造性を発揮するツール
思考をわかりやすくまとめるツールも世の中には色々とある。例えば代表的なツールとしてマインドマップという思考の表現方法が挙げられるし、介護の分野でも利用者のニーズを探るために、アローチャートというツールを使う場合がある。

マインドマップ 例

アローチャート 例
これらのツールで共通している特徴は、図として視覚化している、描く際の自由度が高い、そして一瞥できる、という点である。
脳内思考をかたちにするには、なるべく一つの視野に情報をまとめるのが効果的な手段、と様々なツールでの実践が証明している。
クリエイティブな能力は、今後ますます重要となる。もちろんパソコンを使わなければならない、ということでなない。紙だってなんだっていい。繰り返しになるが、用途によって適切なツールやデバイスを意図的に使いこなせばいいだけである。
しかしスマホがあまりにも便利なため、長時間利用し、使いこなしているように錯覚するが、実は大きな制限があるという視点は覚えておいて損はない。