性差から社会を読み解く(3)

性差による視点

性差から社会を読み解く(1)では、性の成り立ちを説明し、生物にとって最も根源的な性質であることを確認した。さらに性差から社会と読み解く(2)では、生物における雄雌のそれぞれの置かれている位置付けを述べた。人間の男女も、その生物的位置づけから深い影響を受けていることは押さえておきたい。

このテーマについては、まだまだ述べたいことが沢山ある。まだ前菜部分しか提示できていないが、メインディッシュの部分をうまくまとめられていない。今後時々思いつくままに文章にまとめていくことにする。

メインディッシュにあたる部分とは、現在の社会で人間の活動が、性差によってどのような影響を及ぼしているかという視点である。背景を分析する上で、新しい視点を提供できるきっかけが出来れば幸いである。

歴史ーHistory

生物が、完全体を犠牲にして雄を創って成し遂げたいことは何だったか。それは変化である。変化は多様性をもたらし、多様性は相違や競争をもたらす。競争には創造がつきものである。総じて男性のほうが創造性に長けるのは、そもそもそれが与えられた使命だったからとも言える。

古今東西、発明、芸術、文化等あらゆる分野で新しいものを創造してきたのは圧倒的に男性が多い。これは優劣の差をいうことではなく、得意分野の違いである。

例えば、文学を例にとれば、男性作家によって作られた文学作品と女性作家によって作られたそれぞれの作品そのものに優劣はないが、文学という表現手法を創りあげてきたのは主として男性が担ってきたといえる。

新しいジャンルを掘り起こすのは、えてして男性のほうが得意としてきたし、特に自然科学分野のノーベル賞級の発明は、ほぼ男性の独壇場である。一つのことを徹底的にやり抜くというのは、男性の脳の構造上の特徴であり、それゆえに新しい発見に結び付きやすい。

新しいモノを発見したり作り上げたりすると、社会的に大きな名誉となることが多いが、それも極々一部の人間が歴史に名を残すのであり、その裏には凄まじい競争があっただろうと想像できる。競争や勝負事を好むのも、一般的な男性の特徴である。

領土を拡張しようとしたり、資源を奪い合うのも国や民族レベルと競争ともいえる。投資家同士の巨額のマネーゲームや、企業同士の市場の奪い合いも、巨大な富を得ようとする壮大な競争といえば競争である。

したがって競争に次ぐ競争の結果として、歴史で目立つのは男性になるという結果になる。歴史とはHistoryイコールHis Storyというように、そもそも男性的なのである。

運命づけられた違い

人生の楽しみ方

何度も言うが、男性が歴史を主導してきたからといって優劣があると言いたいわけではない。多くの女性が、競争の土俵に上がろうとする前提がそもそもない。それに歴史に名を残したからといって幸せな人生を送れたかかといえば決してそうではない。幸せの価値観なんて人それぞれであろう。

ただ僕のまわりをみて見ると、人生を楽しもうとする人は、女性のほうが多いと感じるのである。一般的に言って女性の方が、楽しむことに関して貪欲である。コンサート、演劇、遊園地、ショッピング等どれもこれもレジャー消費のメイン層は女性である。

介護の世界で言えば、デイサービスのレクリエーションで周りの利用者同士で、上手にその時間を楽しんでいるのは大抵女性だし、逆に一人でブスっとしている高齢者男性は結構多い。今までの人生で、そういう楽しみ方に慣れていないのだろう。

文化の発達

こうやって見ると、現在においても生物として運命づけられた特徴をもとに世の中が動いているように見える。女性がその生を精一杯謳歌する。さらに輝かせる場を提供するために男性は社会の幅を広げる。もちろん直接そんなことを思って人は行動しているわけではない。

でもそうやって行動してきた結果、人間は、様々な「文化」を創り上げてきた。具体的には知識、信仰、芸術、道徳、法律、慣行、その他もろもろである。

それは人間が上手く共存していく知恵であり、何とか社会を維持するために編み出された壮大な叡智である。文化は、ハナから存在していた訳ではない。何かしら意義があって徐々に出来上がったものである(そしてその有り様は、常に変動している)。その仕組みを分析していくのも面白い試みだと思うのである。

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