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空耳アワーのお時間です
タモリ倶楽部の名物コーナーの「空耳アワー」を知ったのは、僕が大学生の頃だった。
外国語の楽曲で、あたかも日本語のように聞こえる歌詞を、制作サイドでつけたイメージ映像と交えて紹介するというこのコーナー、開始されたのは1992年とのことだ。始まってからもう30年近く経っているのに、いまだに継続されていたとは驚きである。
僕は若い頃に空耳アワーを時々見ていたのだが、社会人生活で疲れ果てるようになって、いつしか見ることはなくなっていた。最近は、あまりテレビを見ないこともあって、その存在を忘れかけていた。
しかし数年前に体調を崩して入院した時に、偶然Youtubeで昔の空耳アワーの動画を見つけて、あらためて楽しませてもらったことがある。その時、空耳動画をみて、つらい入院の日々が少し救われた気がした。
退院した後も、他にも面白い空耳はないかと、関連動画で最近の作品をいろいろと探してみたら、数々の名作を発見することが出来た。
そこで今回は、個人的に傑作だと思った作品を新旧合わせて6つほど紹介したい。
空耳アワー旧作品
まずは、僕が以前テレビで見て実際に知っていた作品の中で、お気に入りのものを挙げてみる。
農協牛乳
空耳アワーは、「農協牛乳」を抜きには語れない。空耳史上、不朽の名作である。
なんといっても発声の勢いがいい。必死になって何を叫んでいるんだって話しである。
それとスタッフが創る映像が、妙にツボにはまる時がある。この映像でスモークを利用してるところなんかは、プリンスの「バットダンス」のPVを観たことがあるならば、きっと笑いが倍増するはずである。
調べたら「農協牛乳」がテレビで放映されたのは、1993年5月とのことである。司会のタモリさんと安斎さん(髪を切れ!)の見た目の若さが時代を感じる。それにしたって今見てもやっぱり面白い。
あの、イボ痔
友人の家で何人かで酒飲みをしていた時に、このオンエアを偶然見て、みんなで爆笑した記憶がある。
とにもかくにも、お婆さんの演技が逸品である。歌声とお婆さんの叫び声のイメージが、ドンピシャでハマった見事な作品であった。
おっさんおっさん
この作品の凄さは、最後の「えー自分だと思う」のセリフが、どう聞いてもコギャルが言ったとしか思えないところである。
90年代後半には、真っ黒に肌を焼いて奇抜なメイクをしたコギャルがたくさんいたが、セリフのトーンも声も言い方も当時のコギャルそのものである。今の女子高生ともちょっと違うし、もちろんコギャル時代以前の女子高生だったとしても成り立たない。
この作品のオンエアは、1999年12月。空耳アワーでは、世相も見事に反映しているのである。
空耳アワー新作品
ここからは、比較的最近の作品を取り上げてみたい。すべてネット上の動画から、探し当てたものである。そういう意味では、ここ10~15年くらいで、娯楽の主体が大幅にテレビからネットに移り変わった時代の変遷を感じるのである。
ナゲット割って、父ちゃん
同じボケを繰り返しつつ、徐々にボルテージを上げていきながら、最後に強烈な突っ込みをする。僕はお笑いのことは詳しくはないが、まさにコントの王道のようなつくりである。
ちなみに、もとになっている楽曲を作ったレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンというバンドは、歌詞に過激な政治的メッセージを含めることで有名なグループである。
自分たちの楽曲がこんな使われ方をされたとは、夢にも思っていないだろう。バンドメンバーに怒られないように注意していただきたい。
洗うな!うそ!
この作品は、映像の設定を考えたスタッフのセンスが素晴らしい。普通、大福を洗うなんて発想は、思い浮かばないぞ。
歌の絶叫系のトーンだとか、テンポも抜群である。そりゃ、大福洗われたら、急いで大声で注意したくなるのも納得である。
りんごジュース
僕が今まで見た作品の中で、一番好きなのがこの「りんごジュース」である。
原曲は、大御所ジェームス・ブラウン。曲調と役者さんの踊り(?)が、完璧なコラボレーションを披露してくれる(振り返って「うっ!」とポーズとるところがツボにはまった)。本当にこのネタのために作られたかのような歌詞や、曲の間の取り方である。空耳アワーの真髄を見ることが出来る。
昨今、外出を控えストレスを発散できずに過ごすことも多いかもしれないが、楽しめる(くだらないけど)動画を見て、少しでも気分転換になればと思うのである。