人間 人生の羅針盤(1) 2021年1月20日 思想家 西部邁 僕が、西部邁(にしべすすむ)という評論家の文章に初めて触れたのは、二十歳の頃だったと思う。書店で何気なく手にとったムック本は、世の中の常識を疑え、というテーマで、様々な執筆者が、政治や経済にまつわる持論を展開していた。 大学生だった僕は、何か政治的思想に傾倒していたわけではない。むしろ政治談議には、ほと...
人間 新型コロナウイルスと死生観(後編) 2020年12月20日 とある哲学者との対話 フランス在住の作家、辻仁成が自身のブログでこんな記事を書いている。 →滞仏日記「哲学者が語った、コロナとの驚くべき向き合い方」 辻と南アフリカ人の哲学者アドリアン、2人が新型コロナウイルスついて対話した内容を、記したものだ。4月11日の記事なので、まさにフランスではロックダウン最中の会話ということ...
人間 プライドと老後の人生 2019年10月21日 プライドと老後の人生 プライドとは ある人を評してプライドが高いと言うと、どういう印象を持つだろうか?大抵は気位が高く、とっつきにくいようなイメージを持つ人が多いのではないか。もちろん、それは一つの側面として正しい認識だと思うが、プライドの持つ言葉の意味合いが、いまいち曖昧に使われている気もするのである。 プライドとは...
人間 作品 サピエンス全史・所感(認知革命編) 2019年9月8日 サピエンス全史における認知革命 サピエンス全史。読みたいと思っていて、ずっと手を出せずにいた本である。人類の誕生まで遡って、何故人類はこれほどまでに繁栄したのか、原始時代から現代にわたって歴史を追いながら、壮大なスケールで解き明かすというのが本書のテーマである。いかにも僕好みのテーマだったので、ゆっくりと腰を落ち着かせ...
人間 論考 生命力の源 2019年7月15日 生命力の源 小さな子どもを観ていると、生命力に満ち溢れているのがわかる。職場の近くの公園に、よく保育園児が保育士たちに引率されて遊びに来る。子どもたちはいつでも声を張り上げて遊びに夢中になっているし、園児の動きをみているとやたらと走りまわるので面白い。ちょっとした距離なのになぜ走る?と不思議なくらいにエネルギーに満ちて...
人間 4文字英語の使い方 2019年4月26日 内田裕也が亡くなり、その葬儀で喪主の娘が述べた挨拶がとても印象的だった。僕は内田裕也のことはよく知らないが、破天荒な人だったであろうと想像する。家族と故人との関係性は、とても第三者には理解が及ばないし、家族の胸中は複雑であろうと推察する。そんな胸中を、文学的な表現でいい意味で淡々と表していたと思う。 そして挨拶の最後は...