人間 人生の羅針盤(1) 2021年1月20日 思想家 西部邁 僕が、西部邁(にしべすすむ)という評論家の文章に初めて触れたのは、二十歳の頃だったと思う。書店で何気なく手にとったムック本は、世の中の常識を疑え、というテーマで、様々な執筆者が、政治や経済にまつわる持論を展開していた。 大学生だった僕は、何か政治的思想に傾倒していたわけではない。むしろ政治談議には、ほと...
言葉 作品 空耳アワー新旧傑作選 2020年4月5日 空耳アワーのお時間です タモリ倶楽部の名物コーナーの「空耳アワー」を知ったのは、僕が大学生の頃だった。 外国語の楽曲で、あたかも日本語のように聞こえる歌詞を、制作サイドでつけたイメージ映像と交えて紹介するというこのコーナー、開始されたのは1992年とのことだ。始まってからもう30年近く経っているのに、いまだに継続されて...
文化 作品 蒼天航路を語る(文学の誕生・後編) 2020年3月5日 宴の舞台・開幕 三人の文才 陳林(陳林)、孔融(こうゆう)、曹植(そうしょく)。 この三人に共通しているのは、文才があるという点である。だが置かれている立場であったり、言葉に対する考え方などは全くと言っていいほど違っていた。 現代の文芸の世界でいうと、陳林は異端の作家、孔融は文壇の重鎮、曹植は無名の学生、といったところ...
文化 作品 蒼天航路を語る(文学の誕生・前編) 2020年3月1日 蒼天航路について 根強い人気作品 以前、このブログで蒼天航路について取り上げたことがある。蒼天航路の連載が終了してから、それなりの年数が経つが(2005年に終了)、今だに根強い人気を誇っているのがわかる。 というのも検索流入でこの記事を読んでくれる人がとても多いのだ。多いというかむしろPV(ページビュー)累計数では、か...
言葉 論考 オールラウンド用語について 2019年7月21日 使い勝手がいい言葉 日本語には、汎用性が高く非常に使い勝手がいい言葉が多い。しかし日常的によく使われているにも関わらず、よくよく考えてみると、いまいち意味がはっきりしていないこともある。意味ははっきりしないけど、場面場面で何となくお互いに意思疎通がとれている。日本はお互いの意図を察する傾向が強い文化だから、成り立ってい...
人間 4文字英語の使い方 2019年4月26日 内田裕也が亡くなり、その葬儀で喪主の娘が述べた挨拶がとても印象的だった。僕は内田裕也のことはよく知らないが、破天荒な人だったであろうと想像する。家族と故人との関係性は、とても第三者には理解が及ばないし、家族の胸中は複雑であろうと推察する。そんな胸中を、文学的な表現でいい意味で淡々と表していたと思う。 そして挨拶の最後は...