人間 論考 人生の羅針盤(6) 2021年4月29日 今回のシリーズ全編を通して、人生の軸を組み立てるための思考の枠組みを提示してきた。その試みが、成功したかどうかは読者の判断に任せるほかない。ただ自分としては、文章を書き連ねたことで、自分の頭の中をそれなりに整理することが出来た。そういう意味において、僕自身にとっては意義のある挑戦だったと言える。 シリーズの冒頭において...
人間 論考 人生の羅針盤(5) 2021年3月14日 羅針盤の効用 道具としての羅針盤 今回のシリーズにおいて、四角柱にみたてた羅針盤。その枠組みを理解していたとしても、魔法の如く人生が好転するわけではない。何をもって好転と呼ぶかは人それぞれの考え方があるだろうが、例えば、人間関係が楽になる、世の中で器用に立ち回れるようになる、自分の収入が増える、といった効用を期待してい...
人間 論考 人生の羅針盤(4) 2021年2月14日 中庸について 羅針盤に模した四角柱を眺めていると、「中庸(ちゅうよう)」という概念が頭をよぎることがある。「中庸」とは、一般的には儒教における徳の概念として知られている。「中庸」は、偏ることのない「中」をもって道をなすという意味である。 つまり、極端に多すぎたり、少なすぎたりというような偏りがなく、過不足がなく調和がと...
人間 論考 人生の羅針盤(3) 2021年2月7日 羅針盤と真理の追究 このシリーズで定義している「羅針盤」とは何か、今一度確認しておきたい。それは、人生を生きる上で指針となる考え方、のことを指す。前回の記事では、炎(生命)の中にある軸(羅針盤)を図示して、大まかな全体像をイメージしてもらった。その思考の全体像を、四角柱にみたててみたが、今回は四角柱の細部について説明を...
人間 論考 人生の羅針盤(2) 2021年1月31日 生命の炎 以前の記事で、炎を生命のエネルギーとみたてて論じたことがある。 その際、人生とは、エネルギー源を燃やし尽くす過程だと述べた。いかに自分らしく命の炎を燃やすか、というのがその記事のテーマだった。 炎が人のエネルギー源という定義は、そのまま踏襲したいが、今回は、まず炎の形に注目してみたい。ある人の生命が、【図1】...
人間 論考 人生の羅針盤(1) 2021年1月20日 思想家 西部邁 僕が、西部邁(にしべすすむ)という評論家の文章に初めて触れたのは、二十歳の頃だったと思う。書店で何気なく手にとったムック本は、世の中の常識を疑え、というテーマで、様々な執筆者が、政治や経済にまつわる持論を展開していた。 大学生だった僕は、何か政治的思想に傾倒していたわけではない。むしろ政治談議には、ほと...
言葉 作品 空耳アワー新旧傑作選 2020年4月5日 空耳アワーのお時間です タモリ倶楽部の名物コーナーの「空耳アワー」を知ったのは、僕が大学生の頃だった。 外国語の楽曲で、あたかも日本語のように聞こえる歌詞を、制作サイドでつけたイメージ映像と交えて紹介するというこのコーナー、開始されたのは1992年とのことだ。始まってからもう30年近く経っているのに、いまだに継続されて...
文化 作品 蒼天航路を語る(文学の誕生・後編) 2020年3月5日 宴の舞台・開幕 三人の文才 陳林(陳林)、孔融(こうゆう)、曹植(そうしょく)。 この三人に共通しているのは、文才があるという点である。だが置かれている立場であったり、言葉に対する考え方などは全くと言っていいほど違っていた。 現代の文芸の世界でいうと、陳林は異端の作家、孔融は文壇の重鎮、曹植は無名の学生、といったところ...
文化 作品 蒼天航路を語る(文学の誕生・前編) 2020年3月1日 蒼天航路について 根強い人気作品 以前、このブログで蒼天航路について取り上げたことがある。蒼天航路の連載が終了してから、それなりの年数が経つが(2005年に終了)、今だに根強い人気を誇っているのがわかる。 というのも検索流入でこの記事を読んでくれる人がとても多いのだ。多いというかむしろPV(ページビュー)累計数では、か...
言葉 論考 オールラウンド用語について 2019年7月21日 使い勝手がいい言葉 日本語には、汎用性が高く非常に使い勝手がいい言葉が多い。しかし日常的によく使われているにも関わらず、よくよく考えてみると、いまいち意味がはっきりしていないこともある。意味ははっきりしないけど、場面場面で何となくお互いに意思疎通がとれている。日本はお互いの意図を察する傾向が強い文化だから、成り立ってい...